「ゲーム機を使う治療」という言葉をネットで見かけると、家でやるゲームと何が違うのか、本当に医療として受けられるものなのか、ぱっとは分かりにくいですよね。
地域情報メディア『あまがさきクリップ』のライター、にしだです。尼崎市で自営業をしながら、気になることがあれば先に調べておく癖がついています。この記事では、今話題のADHDゲーム機治療の概要と「治療すること自体を迷っている親御さん向け」に相談窓口をご紹介いたします。
あとでも詳しく説明しますが、ゲーム機治療が対象になるかどうかは受診先の医師が判断することで、条件の自己判断はできません。
どういうことなのか、まずはこの記事を読み進めてみてください。
「ゲーム機治療」で混同されやすいこと
「ゲーム機治療」という言葉には、大きく二つの異なるものが混ざりやすい状況があります。一つは家庭用のゲーム機やタブレットで遊ぶゲーム、もう一つは医療機器として承認されたソフトウェアです。
後者は「デジタル治療(DTx)」とも呼ばれ、医療機器として審査を通ったうえで使われるもの。家庭で自由に使えるゲームとは、仕組みも使われる文脈もまったく別物です。
エンデバーライドとはどういうものか
2026年6月5日、塩野義製薬が小児ADHD向けの治療補助アプリ「エンデバーライド(ENDEAVORRIDE)」を発売しました。子ども向けのゲーム形式の治療用アプリとして、日本で初めて保険適用された製品です。
タブレットやスマートフォンに画面上の乗り物を操作しながら、決められた色のキャラクターをタップするゲームです。二つの操作を同時に行うことで、ADHDの患者の脳の「前頭前野」を活性化させる設計になっています。
処方の流れと対象になる条件を知っておく
このアプリは、薬のような処方箋ではなく「ダウンロードコード」が医療機関から渡される形です。そのコードを使って手持ちのスマートフォンやタブレットにインストールします。
- 対象年齢
-
臨床試験は6歳以上18歳未満で行われており、基本的にはこの年齢が対象。
- 使用期間と頻度
-
1日1回・約25分、6週間継続。再使用の場合は4週間以上間隔をあける。
- 処方の前提
-
医師の診断と指導・管理が必要。自分でダウンロードして使えるものではない。
対象になるかどうかは受診先の医師が判断することで、条件の自己判断はできません。
費用や保険まわりで見落としやすい点
エンデバーライドの公定価格は1万4,500円です。2026年6月から保険適用されており、3割負担の場合は約4,350円になります。
さらに、尼崎市の子ども医療費助成が適用されれば、自己負担がさらに下がる可能性があります。ただし助成の対象範囲や条件は時期によって変わるため、市の窓口か受診予定の医療機関で確認するのが確実です。
家庭用ゲームとの違いをどう見るか
迷いやすいのが、市販のトレーニングアプリや知育ゲームとの区別です。見た目が似ていても、目的も管理の方法も全然違います。
- 家庭用ゲーム:娯楽や自学用、自由に使える
- 治療補助アプリ:医師の処方が前提、管理下で使う
- 市販の知育アプリ:承認は受けていない
「ゲームで治療できる」という言葉を見かけたとき、どちらの話なのかを確認するだけで、情報の受け取り方がかなり変わります。
ADHDの情報収集で先に整理したいこと
「うちの子、集中が続かない」「落ち着きがない気がする」という悩みで調べ始めると、診断、治療法、学習支援、薬の話がいっぺんに出てきて混乱しやすいです。
今すぐ治療を決めたいわけでないなら、まず「相談」と「受診」を分けて考えると少し楽になります。相談は公的な窓口でも受けられる話で、受診は医療機関に限られる話。この二つは手順が違います。
尼崎市で相談先を探すときの見方
わたしが何かを調べるとき、最初に気にするのは「どこで話を聞くか」です。発達の相談に関しては、医療機関と公的相談窓口の両方が選択肢にあります。
尼崎市には「いくしあ(子どもの育ち支援センター)」という公的な相談窓口があり、発達に不安を感じた保護者からの相談を受けています。場所は若王寺2丁目の「あまがさき・ひと咲きプラザ」内で、まず話を聞いてもらいたいという段階なら、ここが一つの入り口になります。

まず話を聞いてもらうだけでいい、という段階が一番入りやすい
医療機関と公的相談窓口の役割の違い
公的な相談窓口では診断は行いません。保護者の不安を整理したり、次に何を確認すればよいかを一緒に考えてもらえる場所です。
医療機関では、診察・検査・診断・治療の話になります。「うちの子がADHDかどうか」を確認したいなら医療機関、「どこに相談すればいいか分からない」という段階なら公的窓口から、という流れが無理がありません。エンデバーライドの処方を受けたい場合も、まず医療機関での受診が入口です。
何科を受診するか迷ったときの手がかり
子どものADHDに関係する診療科として、小児科(とくに発達外来)、児童精神科、心療内科などが候補に挙がります。尼崎市内にはこれらの診療科を持つ医療機関が複数あります。
何を聞きたいかを整理し、公的窓口で方向性を確認する。
対象年齢・予約方法・紹介状の要否を事前に確認する。
家での様子や気になる点をメモして持参すると話がまとまりやすい。
予約方法や紹介状の要否、対応している年齢は施設によって異なります。わたしの場合、初めて行く場所は「駐車場があるか」「道がわかりやすいか」も先に確認しています。子どもと一緒に通う前提なら、なおさら負担の少ない場所から探したほうが続けやすいと感じています。
よくある失敗と向かないケース
見落としやすいのが、「ゲームで改善した」という体験談を読んで、家庭用ゲームで同じ効果を期待してしまうケースです。エンデバーライドは医師の処方が前提で、自分でダウンロードして試せるものではありません。
また、保険適用が始まったとはいえ、すべての医療機関で処方が受けられるわけではありません。対応している医療機関かどうかは、受診前に確認が必要です。
今日の一歩の決め方「わたしならこうします」
今すぐ治療を決めたいわけでないなら、今日は「いくしあ」の電話番号をメモしておくことをおすすめします。すぐにでも治療を始めたいのなら、まずはかかりつけのお医者さんに相談してみるのも良いかもしれません。
ネットで読んだ記事を画面のスクリーンショットに残しておいて、相談の場で「こういう記事を見たんですが」と見せるだけでも話が早くなるのでおすすめです。
私も小学生の子を持つ親ですので「子どもが少しでも良くなるのなら試してみたい」という気持ちはとてもよく分かります。
実際に行動に移さない場合でも、この記事を読んで「こういう選択肢もあるんだ」と少しでも気持ちが楽になってもらえたら嬉しいです。













