補聴器の費用を調べはじめると、制度の種類が多くて、自分がどれに当てはまるのかすぐには分からないことがあります。障害者手帳が必要な制度と、手帳がなくても使える制度が別にあり、年齢によっても制度の棚が違ってくるのです。
尼崎市内で自営業をしている「あまがさきクリップ」ライターのにしだです。塚口近辺を移動しながら、気になる情報を調べています。今回は補聴器購入の前に確認しておきたい助成制度について、尼崎市の公式情報をもとに整理しました。
この記事では、制度の種類、対象条件、窓口、申請の順番を整理します。内容は公式情報をもとにしていますが、申請前には必ず担当窓口や公式サイトで最新情報をご確認ください。
尼崎市で先に確認したい制度の種類
尼崎市で使える補聴器関連の制度は、大きく三つのパターンに分かれています。
年齢と手帳の有無によって、当てはまる制度がまったく変わるため、まず自分がどの棚に近いかを確認するところから始めるのが自然な流れです。
整理すると、①18歳以上で聴覚障害の身体障害者手帳を持つ方向けの補装具費支給、②18歳未満で手帳には当てはまらない軽・中度難聴の子ども向けの購入費助成、③高齢者向け独自助成、になります。③については、2025年4月時点の市議会答弁で、尼崎市は現時点で実施していないと確認しています。
補聴器助成と補装具費支給の違い
「補聴器の助成」と一括りに調べると、「補装具費支給」という言葉が出てきます。これは障害者総合支援法にもとづく制度で、補聴器そのものを支給する仕組みです。自費で購入してから後で補助を受ける形ではなく、支給決定が先に来て、その後に購入する流れになります。
名前が似ていても別物の「日常生活用具給付」という制度もあります。こちらは補装具ではなく生活補助品の給付にあたるため、補聴器が対象に含まれるかどうかは用途や種別によって異なります。混同しやすいので、窓口で確認するときに「補聴器の補装具費支給の話です」と一言添えるほうが、話が進みやすいと思っています。
対象になりやすいケースとなりにくいケース
まず押さえておきたいのは、補装具費支給(18歳以上)は、聴覚障害による身体障害者手帳を持っていることが前提になる点です。聞こえに不便があるだけでは対象にならず、手帳の等級(2・3・4・6級)によって支給される器種も変わってきます。
また、本人と配偶者のうち収入が高い方に課される市民税所得割額が46万円未満であることも条件のひとつです。所得の状況によっては対象外になる場合があります。窓口で確認してみる価値のある点です。
障害者手帳が関わるかどうかの分かれ方
18歳以上の補装具費支給は、手帳の交付を受けていることが条件になります。手帳を持っていない場合は、この制度の対象にはなりません。手帳がない状態で補聴器の購入費用を制度でカバーするルートは、現在の尼崎市では限られています。
18歳未満については話が別で、軽・中度難聴児補聴器購入費等助成事業が用意されています。聴力レベルが30デシベル以上で、手帳の交付対象にならない子どもが対象。年齢と聴力の条件を満たせば、手帳なしで助成を受けられる制度です。
高齢者向けの支援として探すときの見方
「親が高齢で聞こえにくそう」と感じて調べている場合、高齢者向けの独自助成制度を期待することがあると思います。ただ、2025年4月の市議会答弁で、尼崎市は現時点では高齢者向けの独自助成制度を実施していないと確認しています。
兵庫県内の一部自治体(明石市、相生市などを含む14自治体)では高齢者向けの補聴器購入助成が始まっていますが、尼崎市は2025年4月時点では対象外です。制度の状況は変わる可能性があるため、市の公式情報や担当窓口への問い合わせで最新の状況を確認してみてください。

高齢の家族のことで調べるなら、まず手帳の有無から確認してみると話が早いですよ
申請前に購入すると起きやすいこと
補装具費支給の仕組みは、支給の決定が先で、購入はその後という順番になっています。先に補聴器を購入してしまうと、制度の対象外になる場合があります。
補聴器店で説明を受けて「じゃあ買ってしまおう」と進めた後で気づくと、取り返しがつかない。わたし自身、こういう順番の話は後から知って「先に確認しておけばよかった」と感じることが多いです。
軽・中度難聴児の購入費助成も同様で、申請前の購入は対象外とされています。補聴器を試したくなる気持ちはよく分かりますが、費用負担の面でも、手続きの面でも、申請の順番は先に確認しておく価値があります。
必要書類で見落としやすいもの
補装具費支給の申請には、身体障害者手帳、意見書(補装具費支給意見書)、見積書が主な書類として必要になります。意見書の用紙は窓口でもらえますが、記入できるのは指定医だけです。
見落としやすいのが、見積書の準備タイミングです。意見書を指定医に書いてもらった後、補聴器販売店で器種を決めて見積書を作成してもらう流れになります。書類が連動しているため、「意見書だけ持って窓口へ」という状態では申請が止まることがあります。
- 身体障害者手帳(聴覚障害)
- 補装具費支給意見書(窓口で用紙入手・指定医が記入)
- 見積書(補聴器販売店で作成)
- 申請書(窓口に書式あり)
- 世帯状況・収入等申請書
状況によって必要書類が変わる場合もあるため、詳細は窓口で確認するのが確実です。
どこの窓口へ行けばいいか
尼崎市の補聴器関連の相談・申請窓口は、住まいのエリアによって二つに分かれています。JR尼崎線より北側に住んでいる方は北部保健福祉センターの北部障害者支援課、南側の方は南部保健福祉センターの南部障害者支援課が担当です。
どちらのセンターも電話番号が異なります。まず電話で「補聴器の補装具費支給について確認したい」と伝えてから訪問するほうが、当日に持参物の漏れが少なくて済みます。本庁の障害福祉課(06-6489-6750)でも対応しています。
医師意見書と判定が関わる場合の流れ
補装具費支給の手続きでは、兵庫県立身体障害者更生相談所による判定が必要になる場合があります。補聴器については書類を送付して判定を依頼する方法が原則として使えます。わざわざ相談所に出向かなくてもよいケースが多い。
ただし判定の方法や要否は状況によって変わることがあるため、窓口で確認してから進めるのがよいと思います。判定の後、支給決定の通知が届いてから購入という流れになるため、手帳の取得から数えると1か月から3か月程度かかる場合もあります。
申請の流れを順番で見ておく
補装具費支給(18歳以上・手帳あり)の一般的な流れは次のとおりです。状況によって順番が変わる場合があるため、この流れを参考にしつつ、窓口で自分の状況に合わせた確認をしてみてください。
北部または南部障害者支援課へ。意見書の用紙を受け取り、指定医の紹介を受ける。
指定医での診察・検査を受け、補装具費支給意見書に記入してもらう。
意見書にもとづいた器種を決め、販売店に見積書を作成してもらう。
申請書・意見書・見積書・手帳などを持参して窓口で申請。判定依頼が行われる。
市から支給決定通知が届いた後、販売店で補聴器を受け取る。
自己負担額の見方で誤解しやすいこと
補装具費支給では原則として1割が自己負担になります。ただし、支給額には上限が決まっているため、上限を超えた分は全額自己負担になる点に注意が必要です。
例えば、聴覚障害4・6級向けの高度難聴用耳掛型であれば、支給基準額は43,900円(自己負担の目安は約4,390円)です。実際に購入する補聴器がこの金額より高い場合、差額は自分で払うことになります。「1割負担」という言葉だけを聞いて費用のイメージをしていると、想定より費用がかかる場合があります。
医療費控除との違いも知っておきたい
補装具費支給とは別に、確定申告で医療費控除を使う方法もあります。これは制度による支給ではなく、支払った費用を所得控除として申告する仕組みです。補聴器が医療費控除の対象になるかどうかは、医師の意見書(適切な補聴器の使用が有効であることを証明するもの)が要件になります。
補装具費支給と医療費控除は別の制度で、どちらかしか使えない場合もあります。二つを組み合わせようとする前に、税務署や担当窓口で確認するのが確かです。
公式情報をどこで確認するか
尼崎市の補装具費支給に関する情報は、市公式サイトの「くらし・手続き」→「障害者」→「手帳・福祉用具」のページに掲載されています。制度の変更や申請受付の状況は随時更新されるため、申請を検討する前に一度確認しておくのが確実です。
- 北部障害者支援課
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電話:06-4950-0374(北部保健福祉センター内)
- 南部障害者支援課
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電話:06-6415-6246(南部保健福祉センター内)
- 本庁 障害福祉課
-
電話:06-6489-6750
電話番号や窓口の情報は変更になる場合があります。訪問前に市の公式サイトや電話で最新情報を確認してください。
よくある失敗と注意しておきたい点
実際に動きはじめてから「先に知りたかった」と感じやすいポイントが、主に三つあります。「購入が先」「手帳なしで使える制度がある」「書類が連動している」という三点です。
- 補聴器を購入してから申請すると対象外になる
- 手帳がないと使える制度がないと思い込む
- 意見書だけで申請できると思い窓口へ行く
- 見積書の準備タイミングを後回しにする
- 補聴器店の案内だけで制度の内容を判断する
補聴器店のスタッフは制度に詳しい方もいますが、自治体の判断を代行できるわけではありません。最終的な制度の適否は、市の窓口で確認するものと考えておくほうが安心です。
今日から動くために確認したいこと
まずやってみやすいのは、尼崎市公式サイトで「補装具費の支給」のページを開いてみることです。制度の対象条件と窓口の電話番号が載っているので、今の自分や家族の状況と照らし合わせるだけでも、次に何をすればいいかが見えてきます。
制度の細かい判断は窓口でないとできない部分が多いです。でも「手帳はあるのか、ないのか」「18歳以上か未満か」この二点を整理しておくだけで、窓口の話がずいぶんスムーズになります。わたしも手続きの多い話は、事前に一点だけ確認してから電話するようにしています。その方が時間の無駄がないと感じているんです。
週末に少し時間があれば、まず市の公式ページだけ見てみてください。難しいことは後回しにしていいので、自分の状況がどのケースに近そうかを一つ確認するだけで、迷いがすこし軽くなるはずです。そのきっかけになったらうれしいです。













